145号 第1会議室 (2001/12/24)up down
   ● 政治家がイベントを開催する時の心得
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 政治家(当選している人も落選している人も含めて)は,自分を応援してくれる人全員と顔を合わせることは,なかなかできません。そこで,一度に多くの人に会い話のできる手段として有効なものの一つは,イベント開催です。
 イベントにも,数千人規模の決起集会から,数百人規模のパーティー,さらには30人程度の活動報告会まで,多種多様にいろいろなものがあります。

 今回は,全てのイベントに共通していうことができる「事務方,イベント開催の心得」をお話しいたします。

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□イベントの企画

【イベントを企画する際の心得】 
 1.イベントの目的,趣旨を明確にする
 2.開催期日・開催場所は,何よりも早く決める


◆1.イベントの目的,趣旨を明確にする

 まずは何のためにイベントを開くのかを決めます。

 ・一人でも多くの人に政治家の活動を知ってもらうため
 ・資金集めのため
 ・小人数の中でじっくりと意見交換していく

 これによって開催人数の規模も決まります。
 例えば「パーティー」と題して行うのであれば,数百人規模ということになるでしょう。

 一般的に大規模で行うことの意義は,

 ・普段挨拶に伺うことのできない人たちに,自分の生の声を聞いてもらうことで,自分への支持の維持,拡大をはかる
 ・自分の仲間(同じ政党の議員や関係者)に対しての存在感のアピールなどといえると思います。

 逆に,報告会などの小規模で行うことの意義は,

 ・より詳しく自分の活動を聞いてもらうことができる
 ・参加者とより身近に意見交流ができる
   といったところでしょうか。


◆2.開催期日・場所は,何よりも早く決める

 特に大規模で行うときは,場所が限られるため,まずは場所を確保しなければなりません。決定するには,主に二つの方法があげられると思います。

 ・場所を優先して,希望の会場が空いている日の中から開催期日,時間を選択する。
 ・期日を優先して,開催する候補日で,空いている場所を選択する。

 どちらがよいということはありませんが,

 地の利を考えた場合

 ・場所を優先する場合は,誰でも知っているところ
 ・その場所が駅から近い
 ・駐車場が数多くある

 期日を優先する場合

 ・支持者層が最も出やすい時間
 ・連休の真ん中ではないか(そうなると出にくくなるため)



□イベント内容の決定

【イベントの内容を決める際の心得】
 1.自己満足的なイベントにならぬよう,参加者の立場になって決める
 2.ゲストを呼ぶか呼ばないか,誰を呼ぶのかを決める
 3.「一般の人でも出せる」会費設定,「赤字にならないような」会費設定


◆1.自己満足的なイベントにならぬよう,参加者の立場になって決める

 例えばパーティーの場合,乾杯までに来賓の挨拶だけで1時間がかかり,一方的に政治家が話をして,各テーブルにお酒をつぎに回るという,従来的なパターンで,参加者は本当に満足しているのでしょうか。

 パーティーと言えば,お酒を飲むというイメージがありますが決してそれにとらわれずに,お茶会やフランス料理を食べる会であっても良いと思います。

 要は,大規模であろうと,小規模であろうと,参加してくれた人たちが何を求めて参加しているのかを理解することです。そして,参加者が満足して,これからもその人を応援していこうと感じてもらえるかが最も重要なのです。


◆2.ゲストを呼ぶか呼ばないか,誰を呼ぶかを決める

 ゲストを呼ぶ場合(たいていはパーティーの時だと思いますが),ゲストは「客寄せ」という意味が含まれています。ですので,「この人だったら良い話をしてくれる」ということと同時に,「この人が来ますと言うと,応援してくれる人たちに声を掛けやすい」ということも考えた人選が必要です。

 また,ゲストを呼ぶことで主催者本人の持ち時間が減り,色も薄くなることは事実です。そのことも考慮していかなければなりません(その方が良いという議員も実際にはいるようですが・・・)。


◆3.「一般の人でも出せる」会費設定,「赤字にならないような」会費設定

 参加費が必要なイベントの場合,皆さんが想像する額はいくらぐらいでしょうか?。5000円ですか,それとも1万円,2万円・・・。
 一概にいくらが高いとは言えませんが,一般的に考えて,応援してくれている人たちが無理なく出せる金額設定にするべきです。もちろんイベントの趣旨が「資金集め」であるのならば,資金を集めるために考えられた参加費設定が必要ですから,今回の話とは別になりますが。

 また安ければ安いほどよいというわけではありません。

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□人集め

【人を集める際の心得】
 1.何よりも政治家本人からのお願いが最も有効
 2.後援会幹部を上手に使う
 3.イベントの案内を載せたニュースや後援会報を作成する

◆1.何よりも本人からのお願いが最も有効

 支持者と政治家がつながっている,ということが最も重要です。秘書がお願いしたり,政治家の奥さんがお願いしたり,いろいろなひとが支持者へお願いに行きますが,最も効果があるのは政治家本人からのお願いです。本人が出来る限り出席依頼の挨拶に行ったり,電話で出席依頼をすることが,最も有効です。

◆2.後援会幹部を上手に使う

 「ひとりでも多くの人に本人の話を聞いてもらいたい」などと,目的をしっかりと話せば,幹部の人は熱い人が多いので,「俺がやらねば」という気を持ってもらうことが出来ます。
 ここで注意すべき点は,お願いしすぎると,

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,人集めに力が入らない場合が多く見られます。

◆3.イベントの案内を載せたニュースを作成する

 ニュースや後援会報は,活動報告を載せることが普通ですが,せっかくお金を出して多くの家庭に郵送するのですから,ここにイベントの案内を載せないてはありません。
 もちろん,これを見ただけで来る人はほとんどいませんが,これをファーストアクションとして,次に電話をした時には,「ああ,後援会報で見たやつね」と,話がしやすくなります。


□当日準備

【当日の準備をする際の心得】
 1.資料はイベントの成否決定の50%を占める
 2.備品チェックは,何度やってもやり過ぎではない
 3.当日イベント準備開始から終了後事務所に戻るまで
  をシミュレーションを頭の中で何度も行う

◆1.資料はイベントの成否決定の50%を占める

 話をするだけでは,聞いている人はほとんど頭に残らないのが現実です。耳にプラス目を使ってもらって,話を聞いてもらえば,ただ聞いているだけよりも確実に記憶に残る量が増えます。イベントの終了後も,資料さえあれば,話そのものは忘れたとしても,どんなことを話していたかは大まかに思い出せることでしょう。
 また,資料の準備の際は,高齢者の方が多いのイベントの場合は,字を拡大してコピーしたり,新聞記事の切り抜きを使う場合はそのままコピーするのではなく,拡大コピーし,切り貼りして見やすくするなど,細かな配慮が必要となります。

◆2.備品チェックは何度やってもやり過ぎではない

 ペンやセロテープなどはあまり重要視されない分,忘れることも多くなります。しかし,実際はペンが足りないことで受付が混乱したり,案内板の作成にペンを使おうと考えていたがペンを忘れたために案内板が作成できず,イベントがどの部屋で行われるのかがわかりにくくなったため,参加者が迷ってしまったりすることもあります。

◆3.当日イベント準備開始から終了後事務所に戻るまでをシミュレーションを頭の中で何度も行う

 極端に言えば,朝起きてから夜寝るまでの当日のシミュレーションをおこない,何が足りないか,何が必要かをチェックする。必ずどこかで準備不足の部分が出てくるはずです。それをきちんと押さえていき,漏れのない準備とつつがないイベントの進行をおこないましょう。


□当日の段取り

【当日,イベントを円滑に進める際の心得】
 1.最重要視すべきは受付
 2.持ち場を持たないフリーなスタッフを必ず設ける

◆1.最重要視すべきは受け付け

 イベントの際に最も混乱するのは受付だといっても過言ではありません。

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ですので,人数に余裕があるのならば,受付に厚く人員を配置するべきでしょう。

◆2.持ち場を持たないフリーなスタッフを必ず設ける

 大規模なパーティーになれば,どこかで問題が起きることがあります。その時に,そのスタッフが持ち場を離れて参加者の対応をしていては,仕事が滞ってしまいます。その際にはフリーなスタッフが対応するとよいと思います。
 このフリーなスタッフは,全ての業務において把握していなければなりません。そうでないと,結局判断力のある責任者への伝令役になるだけとなります。ちょっとしたことであれば,その場で解決できるだけのイベント全体把握が必要でしょう。
 小規模なイベントであっても,配布資料が足りなくなることが良く見られます。例えば事務所にフリーなスタッフが残っていて,足りなくなった場合に追加を持ってくるということも考えられるでしょう。

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 いかがだったでしょうか。

 今回は「事務方」にスポットを当ててみました。規模の大小にかかわらず,イベントを行うにはかなりの労力を必要とします。

 やはり,何をするにしても大切となるのは,「参加してくれる人の立場にたった考え方」ではないでしょうか。特に政治関係のイベントに参加する人にとっては,「この人のためなら」という気持ちで来る方が大半なのでしょうから。その方々の気持ちを裏切らないように配慮しながらイベントを行うことが,最も重要だと私は思います。

緒方


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